薫と茉海恵の“偽ママ契約”から、こんなにも心を揺さぶられるとは思いませんでした。
『フェイクマミー』第1話は、ただの社会派ドラマでもコメディでもなく――その中間にある“人間のリアル”を丁寧に描いた衝撃作です。
「偽ママ契約」という突飛な設定に思わず息を呑みながらも、見えてくるのは嘘の中にある“本当の愛”。
波瑠さん演じる薫の沈黙の演技、そして川栄李奈さん演じる茉海恵のまっすぐな強さ。
その対比が、母として、女性として、人としての在り方を浮かび上がらせていました。
退職後の空白に苦しむ薫。
シングルマザーとして戦う茉海恵。
立場の違う二人が“ニセの母娘契約”を通して、本当の自分と向き合っていく――
それは、現代社会を生きる誰にとっても他人事ではない物語です。
さらに、子役・池村碧彩ちゃんの存在感も圧巻でした。
いろはというキャラクターが放つまっすぐな言葉が、大人たちの嘘を優しく溶かしていく。
そして終盤の向井康二さん演じる“ニセパパ”の登場が、シリアスな空気を一変させ、見事な緩急を生み出しました。
完璧を求められる現代社会で、“本当の愛”とは何かを問う第1話。
この作品は「自分の生き方を信じていい」と静かに背中を押してくれます。
金曜の夜、少しだけ心を軽くしてくれる――そんな優しいドラマでした。
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