「秋山で見られる色とりどりの植物の正体は?
山の紅葉図鑑」
秋の山に出かければ、赤や黄色、オレンジ色に染まった美しい木々を見ることができるが、
どれが紅葉する植物なのか知ってから山に出かければ、さらなる紅葉登山の魅力を発見できるかもしれない。
主に山で見られる代表的な紅葉植物を分布地帯に分けて紹介する。
写真1:カラマツ
亜高山〜ブナ帯(標高およそ800〜2,500m)/分類:マツ科カラマツ属/主な分布域:北海道(植林)、本州(植林に多い)
高さ5〜35mの落葉高木。日本産針葉樹で唯一の落葉樹。柔らかい針状の葉が束になってつく。北海道や長野周辺などで植林されることが多く、秋は黄〜黄褐色に一斉に紅葉して美しい。本来は富士山周辺や中部山岳地帯の森林限界周辺などに自生する。
写真2:チングルマ
高山(標高およそ2,000m以上)/分類:バラ科ダイコンソウ属/主な分布域:北海道〜中部地方
高さ10cm以下の落葉小低木。日本アルプスなど各地の高山帯によく群生する。大根の葉のようなギザギザのある羽形の葉が特徴で、秋はオレンジ色を帯びた赤色に紅葉して目立つ。果実は風車のような綿毛のある形で、これもユニークな姿でよく目立つ。
写真3:ウラジロナナカマド
亜高山(標高およそ1,700〜2,500m)/分類:バラ科ナナカマド属/主な分布域:北海道〜中部地方
高さ1〜4mの落葉低木で、細い幹を多数出す樹形。涸沢カールに代表されるような亜高山〜高山帯の紅葉風景を構成する中心的樹木で、紅葉色は個体によって異なる。葉はナナカマドに似た羽形だが、葉先が丸くて裏がやや白い。秋は赤い果実も見られる。
写真4:ヤマモミジ
ブナ帯(標高およそ800〜1,700m)/分類:ムクロジ科カエデ属/主な分布域:東北〜北陸地方の日本海側
高さ3〜15mの落葉小高木。モミジと呼ばれる木のうち、日本海側の林に生える変種。葉は9つに裂けて粗いギザギザがあり、紅葉は黄色または赤と黄が交じることが多く鮮やか。北海道〜九州にはオオモミジが、太平洋側にはイロハモミジが分布する。
文・写真◉林 将之 Text & Photo by Masayuki Hayashi
*PEAKS No.142 2021年9月号 P027-030掲載*
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